【人生は意識で決まる】在り方と量子の視点から見た現実の正体

ビジネスの世界では、スキルやノウハウ、戦略が重視されることが多い。しかし、私が本当に重要だと感じているのは「在り方」だ。どんなに完璧なやり方を手にしても、どんなに優れた戦術を学んでも、それを使いこなす人間の意識の状態、在り方が整っていなければ、結果は大きく変わる。

では、在り方とは何か。私はそれを「目に見えない力をどう扱うか」と定義している。感情、意図、思考、信念、そして無意識。これらが放つ“波”が、現実を創っている。この感覚を論理的に理解したい人には、量子力学という学問が大きなヒントになる。

量子力学が明かす「意識が現実を創る」仕組み

私たちの体、パソコン、スマートフォン、家、食べ物、空気。これらすべてを分解していくと、分子、原子、電子、陽子、中性子、そして最終的には素粒子にたどり着く。素粒子は物質の最小単位であり、すべての物質のもとになるエネルギーのような存在だ。

この素粒子には、粒と波の二重性という特性がある。つまり、「もの」として存在する一方で、「波」としても存在している。しかも、人が観測するまでは、素粒子は“波”のような状態で漂っていて、どの位置にあるのか確定していない。そして、人間が意識を向けた瞬間、波だったものが“粒”として固定される。この現象を量子力学では「観測問題」と呼んでいる。

わかりやすく言えば、あなたが何かを「見る」「意識する」という行為によって、それが現実として確定するということ。言い換えれば、あなたの意識が現実を創っている。

現実はコーヒー一杯から始まる

たとえば、「コーヒーを飲みたいな」と思ったとする。でも、その段階ではまだコーヒーは目の前にない。「飲みたい」と思い、意識を向けた瞬間、あなたはその未来を選び取る。そして立ち上がり、コーヒーメーカーのスイッチを入れ、カップを用意し、香ばしい匂いを感じながらそれを飲む。まるで自然の流れのようだが、これは「意識→選択→行動→現実化」という量子のプロセスそのものだ。

「できる」「やる」と意識を向ければ、その波が現実として結晶化する。「無理かもしれない」「難しい」と意識すれば、その波が現実になる。大切なのは、何を信じ、何を意図し、どんなエネルギーを放っているか。それが未来を創る。

成功者が語った“奇跡”の裏側

ある日、作家の江頭さんと話しているときに、興味深いエピソードを聞いた。江頭さんの友人二人が、ある著名なビジネス界の成功者である薫さんと会う機会があったという。

三人で竹内まりやさんの『駅』という曲の話題になった。「これは男が女をふった歌なのか、女が男をふった歌なのか」といった、何気ない会話だった。歌詞の意味を確かめるために、「じゃあUSENをつけてみれば?」と薫さんが言った。すると友人たちは「いま流れるわけがない」と笑った。

薫さんはニコッと笑い、自分の腕時計と指輪を外してこう言ったそうだ。「もし3曲目までに『駅』が流れなかったら、これをあげるよ」。驚いた友人たちは「本当にいいんですか?」と盛り上がった。だが、なんと3曲目に『駅』が流れた。友人たちは口を開けて驚いたという。

そのとき、薫さんは静かに言った。「僕はこういう奇跡を何度も経験してきた。これくらいのことは当たり前なんだよ」。江頭さんは、最初は何のことか理解できなかったそうだ。でも今は、その意味がはっきりわかると言う。「彼は“奇跡を引き寄せる在り方”を日常レベルで体現していた」と。

“書いたこと”が翌日現実になる

江頭さん自身も、同じような体験をしていた。ある夜、ふと閃いたアクセサリーのデザインをノートに殴り書きした。翌日、なんとなく立ち寄ったショップで、彼が描いたままのデザインのアクセサリーが、ショーケースに飾られていたのだ。彼はその場で足がすくむほど驚いたという。けれど今なら、それもまた意識が現実を創った結果だと理解している。

選び直せば、未来は変えられる

人生がうまくいかないとき、多くの人は「過去のせい」にする。しかし量子力学の視点では、過去は関係ない。すべては「今この瞬間」の意識が、次の瞬間の現実を創っている。

途中で「やっぱり無理かも」と思うことがあっても大丈夫だ。問題はそのままにせず、「本当はどうしたいのか」「何を望んでいるのか」に意識を戻せるかどうか。否定的な感情にとらわれたまま時間が過ぎると、その波動が次の現実を形作ってしまう。

だから、最後には必ず「やる」「できる」「私は選ぶ」と意図し直すこと。これが引き寄せの本質だ。

引き寄せを現実に変える5つのステップ

1. 映像として思い描く

「成功したい」「お金が欲しい」といった曖昧な願いではなく、具体的にどんな景色を見て、どんな気持ちで、誰と笑っているのかを映像で描く。

2. その感情を先取りする

未来の自分が味わっている喜びや感謝、安心を今ここで先に感じる。それが“共鳴”の鍵になる。

3. 小さな成功をカウントする

シンクロニシティや偶然の一致に気づくこと。「あ、今の引き寄せたな」と認識することが、現実創造力を育てる。

4. 不安に気づいたらリセットする

不安が出てきたら、「今、波動がズレたな」と気づいて呼吸を整える。そのうえで、本来の意図を選び直す。

5. 行動で現実に着地させる

意識の力だけでは現実は動かない。最後は、動くこと。意識を形にするには、手を伸ばしてつかみにいく行動が必要だ。

意識を変えれば、人生はいつでも変えられる

この世界は、自分の“内側”と“外側”が一致している。あなたが何を信じ、何を意図し、何に意識を向けるかによって、すべてが変わっていく。「在り方を変える」とは、単に前向きになるという話ではない。自分が放っている“見えない波”を整え、望む未来にふさわしい自分であることを選び続けることだ。

意識が先、現実があと。今この瞬間の選択が、あなたの次の瞬間をつくっている。人生は、いくらでも選び直せる。その鍵は、あなたの中にある。