運は「貯金」できる──故・船井幸雄さんから学んだ運を良くする秘訣

経営者はなぜ「運」を重視するのか
経営の世界で長く活躍している人の多くは、口をそろえてこう言います。
「人生も経営も、最後は運だ。」
もちろん、努力や戦略、才能も重要です。
しかし、どんなに計画を練っても、思いもよらぬ偶然やタイミングに左右されることがあります。
その偶然がプラスに働くかマイナスに働くか──それを左右するのが「運」なのです。
船井幸雄さんの存在
日本を代表する経営コンサルタントであり、多くの経営者に影響を与えた故・船井幸雄さんも、運の重要性を説いたひとりです。
彼は数えきれないほどの経営者を間近で見てきた経験から、こう断言しました。
「明らかに“運が良い人”と“運が悪い人”がいる。」
弟子入りを果たした友人の行動力
私の友人の中に、船井さんの大ファンがいました。
本を何冊も読み、セミナーにも何度も参加し、ついにはこう直訴しました。
「弟子にしてください。」
何度もお願いし続けた末、ついに船井さんも折れます。
「じゃあ、かばん持ちでもよければ…」
こうして彼は、船井さんの弟子として行動を共にし、日常の中でセミナー以上に深い学びを得ることになったのです。
新幹線での不思議な習慣
ある日、友人は不思議に思うことがありました。
船井さんは新幹線に乗ると、必ずグリーン車に座り、すぐに眠りに入ります。
そして到着が近づくと目を覚まし──
- シートを元の位置に戻す
- ゴミを自分で持って降りる
という動作を必ず行ってから下車するのです。
多くの人はグリーン車ならではの清掃サービスを当たり前と思い、
シートもゴミもそのままにして降ります。
運の「貯金」の法則
友人はついに聞きました。
「船井さん、なぜいつも席を戻して、ゴミを持って降りるんですか?」
船井さんは笑いながら言いました。
「ああ〜、わかってないなぁ。ここが大事なんだよ。」
そして続けます。
「運ってのはね、貯金みたいなもんなんだ。
その貯金は、人が良い気持ちになったときに貯まり、人が不快になったときに減るんだよ。」
運を良くするたったひとつの習慣
船井さんの運の法則は、とてもシンプルです。
「関わったすべての人が気持ちよくなることを意識し、実践すること。」
- シートを戻す → 清掃員が喜ぶ
- ゴミを捨てる → 作業が楽になり感謝される
その瞬間、小さな「運の貯金」が増えるのです。
逆に、誰かが少しでも嫌な気持ちになれば、その分「運の残高」は減ってしまう。
「簡単なことだよ。でも多くの人はやらない。だから差がつくんだ。」
小さな行動が大きな差を生む
この話を聞いてから、私も飛行機のプレミアムクラスで、毛布をきれいに畳んで降りていく人を見かけると、とても気分が良くなります。
ほんの小さな行動でも、それを受け取った人の心に温かいものを残します。
そしてそれは、必ず回り回って自分のもとに返ってくるのです。
運は「巡るエネルギー」
心理学的に見ても、他人を喜ばせる行動は自分の幸福感を高めます。
脳内でオキシトシンやセロトニンといった「幸せホルモン」が分泌され、自分の心が前向きになり、行動もポジティブになります。
すると自然に良い出来事を引き寄せやすくなる──これが「運が巡る」仕組みです。
今日からできる「運の貯金術」
- 場を整える
使った場所は元通りにして立ち去る。 - 小さな感謝を口に出す
レジや清掃員に「ありがとうございます」と伝える。 - 相手の手間を減らす
書類を揃えて渡す、注文をわかりやすく伝える。 - ポジティブな言葉を選ぶ
批判より提案、文句より感謝を意識する。 - 気持ちよく別れる
その日最後に交わす言葉を笑顔で。
まとめ
運は偶然の産物ではなく、日々の小さな積み重ねで「貯金」できます。
船井幸雄さんが教えてくれたように、関わる人を気持ちよくさせることこそ、運を増やす一番の近道です。
そしてその行動は、自分の価値を高め、信頼を生み、人生を豊かにします。
「運は、人の心の中で育ち、行動で貯まっていく。」
今日からあなたも、小さな「運の貯金」を始めてみませんか?